愛をください。

桜華

第1章

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「美羽ちゃんは、可愛いね〜」


「本当に。上の大吾くんもイケメンだし。兄妹で美男美女ですって」


褒められる、兄と妹。


「自慢の子供たちです」


嬉しそうにする、親。


「あ、そういえば美羽ちゃんって双子でしたよね?お姉様の方は?」


「あの子は、全然なの。美羽みたいに可愛くないの」


私の事を、悪く言う親。


♪♪〜〜


私はそこで目が覚めた。


また夢を見たな。


私は、天原 美桜。


高校2年生。


おへそ位まである黒髪ロング。


私の親は、天原財閥の社長。


天原財閥とは、全国でも有名な財閥。


「ママ、パパ。美羽今度のパーティーの時、新しいドレス着たいな〜」


「そうだな。今日見に行くか?」


「美羽は可愛いから、何着ても似合うな」


「ホント。自慢の娘よ」


朝食を食べ酔うと1階におりると、リビングから聞こえてくる声。


周りから見ると、仲のいい親子。


私がリビングに入っても、誰も見ようとも話そうともしてこない。


そう、これが普通なのだ。


物心ついたときには、そうだった。


可愛いがられるのは、兄の大吾20歳と、双子の妹の美羽。


私の存在は無視。


小さい頃は、家政婦さんが私のお世話をしてくれてた。


食事をするときも、私は別室でいつも一人だった。


リビングから楽しそうな声が聞こえる中、一人で食べていた。


中学生になった時一人で料理できるようになったので、家政婦さんに私のお世話はもう大丈夫と伝えた。


夜はあえて時間をずらして食べるか、外で済ますことが多い。


朝は平日は家で食べるけど、パンにジャムだけぬってすぐ自分の部屋に戻る。


居ても意味無いし。


さっき美羽が言っていた、財閥のパーティー。


もちろん、1回も出たことない。


なので、財閥界の人は私の顔をしらない。


まぁ、いいんだけどね。


行っても楽しくなさそうだし。


家族で出かけた記憶もない。


まぁ、私を除いてなら沢山あるだろうけど。


あ、ヤバい。


学校行かないと。


時計を見ると、そろそろ出ないと遅刻しちゃう。


私の通ってる高校は、幼児舎から高校までのエスカレーター式で政財界が通う名門私立。


みんなお金持ち。


私と美羽は、そこに通ってる。


兄も通っていた。


今は、財閥に勤めてる。


ほとんどの人が、車で送迎される。


もちろん、美羽もね。


けど、私は1人で歩いていく。


小さい頃は、なんで双子なのにこんなに扱いが違うんだろうって、毎日思っていた。


今は、そんなの気にしてないけど。

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