第35話
7:00pm インニューヨークホテル 302号室
鶴田は緊張の面持ちでソファへ浅く腰掛ける
ただでさえ責任のある面会であるのに
それ以上にあの美人とホテルの一室で2人きり
女性と2人なんぞ何年ぶりだか
もはや記憶にないほどだった
そうやって自分の過去を振り返っている場合ではないことくらいわかっていたが
思い出さずにはいられなかった
それほどに彼女は今まで見たことのない
圧倒的魅力を持つ女性だった
ガチャ
ドアノブがひねられた
沙耶 お待たせしました。
鶴田 …!
これが白波沙耶の本来の姿なのか…
高身長、高学歴、そしてなにより
容姿端麗で圧倒的オーラを放つ
北斗の幼馴染
昨日会ったときよりもきちんとしたメイク
そして整ったヘアスタイル
華奢な肩に長い脚
ロングファーコート
サテンのオフホワイトシャツ
レザータイトミニスカート
高級ブランドクラッチバッグに
昨日買ったであろうマノロのシルバーのドレスヒール
文句のつけようのない理想形だった
沙耶 どうかしましたか?
鶴田 あ、いや、あの…
沙耶 なにか飲みます?
鶴田 あ、はい…すみません
沙耶 なぜ謝るんです?
鶴田 なんか…えっと…
沙耶 安心してください。
私、ここでホテルマンをしていま
す。上司が色々手配してくれまし
た。
鶴田 あ、そうなんですね…すみません。
こちらから声をかけたのに
沙耶 なんか昨日とキャラ違いません?
鶴田 そりゃ緊張しますよ…こんな美人…
沙耶 で、話とは?
言われなれているからか
美人というワードは聞き流された
こんな状態で僕は彼女と戦えるのだろうか
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