第15話

蒼の部屋 3:00am








暗い部屋でスマートフォンの明かりがつく





蒼  おはようございます。

   出張お疲れさまです。


西村 まったく。

   わざわざこんなとこまで来させるな。


蒼  最後のわがままですよ。

  

西村 最後は何回目だ?

   まあいい。

   海外のショーを見せて学ばせるさ。


蒼  ありがとうございます。


西村 で、鶴田を置いてくれなんてどうしたんだ。


蒼  ちょっとした人探しですよ。

   





西村 人に好かれる要素はあるんだな。


蒼  誰の子だと思ってるんですか。


西村 そうだったな。じゃあまた。

   これからコーヒーを頂くよ。

   時差ってつらいな。


蒼  鶴田に伝えといてください。

   グループの未来はあなたにかかってる…と。







鶴田は決してひるまない

それを蒼は知らないわけがなかった


誰よりもメンバーのことを考えた末に出した結論は、“あの子を探し出すこと”


そして北斗に良い曲を書かせること


鶴田のミッションは人知れず遂行されていた





時間だけは足早に過ぎていく


















季節は寒くなってくる頃だ



鶴田  どこにいるんだ…白波沙耶…










手がかりは頼から送られてきた女の子の写真と北斗の幼馴染であるということ。スカウトされ続けていた人材であること。それだけだった。

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