第11話
5人はいつもの通り仕事の後に蒼のマンションで曲作りの打ち合わせをしていた
頼がコンセプト案を出し皆で意見を交わす
このスタイルは今どき珍しい手作り感のある曲を生み出す、最適なかたちだ
しかし、この日の蒼は荒れていた
蒼 くそー。なんも思いつかねぇ。
頼、なんかねえか?
頼 俺たちもデビューして結構経つ。
そろそろバラードをやらないか?
陽向 いいね。すごくいい。
まさる 蒼は?どう思う。
蒼 バラードは何曲か書いてるけど…
頼 けど…なんだ?
蒼 しっくりこないんだよ。
なんか悪い意味での俺達っぽい
頼 どういうことだ?
陽向 要するに変わり映えしない…ってこ
とか。
蒼 そうなんだよな。なんか足りない。
まさる 蒼がそこまで言うなんて珍しいな。
陽向 そりゃ真剣になるさ。
こんだけ今までヒット飛ばして
あれれって落ちるわけに行かねえだ
ろ。
蒼 なんか現実味がなくてさ。
恋愛って。
まさる まあ、蒼は意外に純だからなー
蒼 お前、喧嘩売ってんの?
陽向 だからあんな儚い曲ができるって事
褒めてんの。
頼 いい考えがなくはない。
蒼 いい考えって?
頼 北斗。お前、歌詞を書け。
北斗やほかのメンバーも目を見開いたのは言うまでもない。
なんせ彼には曲を作った経験も歌詞を書いた経験もないのだから
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