第2話

その時だった。

別の家臣の者が、大慌てで彼の元にやって来た。


瑞歯別皇子みずはわけのおうじー!!」


「うん、一体慌ててどうした」


家臣の男は皇子に元に来ると、一旦「ぜーはーぜーはー」と呼吸を整えてから言った。


「たった今大王の従者の者から連絡が入りました。

今日の朝方から大王の体調が急に悪化し、その後大王が崩御されました……」


「何だって大王が!お前、それは本当か!!」


瑞歯別皇子は余り事に一瞬で顔を青ざめた。

そして彼はその家臣に詰め寄り、家臣を揺さぶった。


(そ、そんな事があるはずない。大王……兄上がまさか!!)


家臣もそんな状態の瑞歯別皇子を見て、涙が出そうなの必死で堪えて言った。


「ほ、本当でございます」


それを一緒に聞いた、佐由良や稚田彦わかたひこも言葉を失った。


「な、何で大王が……」


瑞歯別皇子は家臣から少し離れると、俯いて手を強く握りしめた。

そして、彼の目からは一筋の涙が落ちた。


「皇子……」


佐由良は皇子の肩にそっと手を当てた。


「佐由良、済まない。予定よりも帰りが遅くなるかもしれん」


「はい、分かってます。阿佐津姫あさつひめとここで待ってます」



その後瑞歯別皇子は、稚田彦と他数名を引き連れて大王の宮へと向かった。

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