「やっぱり誰かと一緒にいるとか？」

「誰かと一緒にいても感じる孤独はどうすればいい？」

「カナメは今孤独なの？」

それにカナメは答えなかった。

改めて私は彼の『死にたい理由』を、まだ知らないことに気づいた。

死にたい、と思う理由は十人十色。私にとって何てことのない悩みで死を選ぶ人もいれば、その逆も然り。

人の悩みは決して同じ物差しで測ることはできないものだ。

どうせ死ぬのだから、カナメの死にたい理由をわざわざ知る必要はないのかもしれない。

気心の知れた幼なじみとはいえ、何もかも共有しなければならないわけじゃない。

わかっているのに、なぜだか私は傷ついていた。

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