第65話

果たしてそんなアカウントを作ったところで見てくれる人なんているのだろうか。



名前も知らないどっかの誰かの自殺になんて興味を示してくれるのだろうか。



「やるだけやってみたら? どうせ死ぬんだし。それなら写真撮る意味もあるじゃん」




確かにどうせ死ぬのだから、失敗しようとしまいと、やってみるだけやってみてもいいかもしれない。



私たちの死を少しでも多くの人に見てもらいたい。



それが、私たちの生きた証であり、死に追いやった全てへの復讐に繋がるのなら。


脳裏にクラスメイトたちの私を蔑んだ笑みが蘇る。




そうだ、絶対に彼らを許したりしない。



私をいじめたことをトラウマのように、死ぬまで後悔してもらいたい。



私は再びスマホを取りだし、保健室のパズルと同じ角度から川平湾の写真をカメラに収めた。

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