第58話

「そうだなあ。味方がそばにいてくれるような感じかな。



仕事や学校で辛いことがあった時も、


その人の前では笑ってられたり、


涙を見せられたり。もちろんその逆もね。



彼が辛い時は助けたいと思うし。



そうやって一緒に前を見て、


お互い支え合い高め合いながら、



困難を乗り越えていける相手がいるって、素敵なことだよ」




その話を聞いていて、脳裏に浮かんだのはなぜかカナメの顔だった。



味方がいてくれる感覚、確かにそうかもしれない。



けれど支え合う、高め合うパートナーと言うより、私たちには運命共同体という言葉の方がしっくりくる。





落ちていく相手を引き上げるのではなく、一緒に堕ちていく同志だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る