第32話

おまけ:寝言と嫉妬?


あらすじ:直人君が寝言で「なずな」と言った場合、その時莢華が居たらどうなる?

(※作者が思いついた朝の妄想です。作者の妄想にしばらくお付き合いください。)


「…なずな…」

直人が寝言を呟く。

七人全員の名前に当てはまらない名前。

莢華は、何時もの無表情な顔つきで、ジトッとした視線を向ける。

直人が寝ているソファを背もたれに、床に座っていた。

スマホを触る手が止まる。

「…ん、」

その時、直人が起きた。

眠たそうにまぶたを擦っている。

「…あ、莢ーー」

「…華」

「直人君。」

華、と直人が呟いたと同時に莢華の声が遮る。

莢華は、半分起き上がった直人にのし上がっていた。

直人の両肩に手を置く。

「…さ、莢華…?」

直人は訳分からずに目の前の莢華の行動に狼狽える。

「…夢とはいえ、他の女の子の名前を言っちゃあ駄目じゃないか、直人君。」

「…え、あ、ごめん…」

取り敢えず素直に謝る直人。

「そんな悪い子にはお仕置き。」

「…え、」

直人の顔が真っ青になる。

その反応を楽しむように莢華は小さく笑った。

莢華はそのまま前のめりになりながら直人の口に自分の口をつける。

少し口を開け、舌を入れる。

「…ん、んう!?」

直人が呻き声をあげる。

直人の舌と莢華の舌が絡まり合う。

しばらくそうし合い、ゆっくりと口を離す。

二人の口の間から白い糸状のモノが5cmほど垂れると、プツリと途切れた。

「…直人君が悪いんだよ。」

ベッと小さく舌を出した。

顔は元の無表情に戻っていた。

「…あ、」

離れたが、何かを思い出したようにまた、近づく。

そして、直人の首元に口をつけた。

ちゅぅぅぅ

軽く噛みながら、吸い上げる。

口を離した時、赤い痕が丸くついていた。

「…直人君が私のモノだって印、つけ忘れてた。」

満足、といった具合で、莢華はまたスマホに戻った。

「…あぁ!もうッ!」

しばらく呆気に取られていた直人は、声をあげると、莢華の首元目掛けて顔を近づけた。


楽しく話す二人の首元には、お揃いの"印"がついていた。

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