プロローグ

第9話

プロローグ:異世界でも最大級の愛をともに!


「ほぎゃあほぎゃあ…!」

と、赤子の鳴き声が部屋中に響く。

「ルイ!イズとリルがお腹空いたですって。ご飯にしましょ」

「そうだね。メイド、ご飯の支度を」

「かしこまりました」

リズはリルを、ルイはイズを抱き上げる。

が、すぐにルイはイズをリズに渡し、今度はリズを自分の膝に座らせた。

「ふふっリルはほんとにルイに似てるわね!」

リルのほっぺたをぷにぷに指でつつきながら話す。

そんなリズに、ルイは埋もれるように後ろから抱きしめていた。

「イズだってリズそっくり。まぁ、リズが一番かわいいけど…」

「子供と張り合ってもしょうがないでしょ」

(きゃああ!子供ができても私が一番だなんて…ほんと好きすぎるんだから…♡)

「…なに考えてたの」

「ん~?ただルイのこと、だ~い好き♡て思っただけ!」

「俺も好きだよ」

なんだか照れくさくて、同時に笑った。

ここに転生してから何年も経ったけど、私達は…愛は変わらない。

「…こうして、ウィングランド王国は、愛溢れる王室のおかげで更に立派な国になりましたとさ。…おしまい」

「ルイ~?昼食の時間よ、冷めないうちに食べましょう!」

”遠く”から、リズの声が聞こえる。

前を向くと、リズが早く!と笑って待っていた。

確か、今日はリズの好きなハンバーグだった気がする。

「…今行くよ」

薄く微笑んで立ち上がる。

先ほどまで見ていた本をしばらく見つめていたが…やがて閉じ、リズのもとへ向かった。

タイトルは、『大好きな彼女との異世界結婚物語』ーー

「…これは俺とリズの物語。それ以上は読んじゃ、いけないよ?」

誰もいない、部屋の空間に向かって静かに呟く。

「ルイったら!早く~」

「ごめんね、早く行こうか」

これからもリズは俺の中で生きていく。

果てしなく続く物語の中で。

今度こそ思い通りの世界を描いて…殺さない未来を作らなくちゃ…

これからのことを想像して、ルイは小さく微笑んだ。

(…愛してる、リズ)

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