第1話

序章: Good evening, Hell


「…夜分遅くに失礼します。私、夜霧 萃と申します。」

深深と丁寧に頭を下げた目の前の女性は、僕を見て、にっこりと微笑んだ。

普通、女性が笑いかけ、気分を悪くする人はいないだろう。

しかも美人ときた。

この展開にドキドキしない人は果たしているのだろうか。

しかし、僕はそんな事、1mm足りともなかった。

むしろ、驚きと憎悪で今にも彼女を刺しそうな気分だった。

こんな気分あってたまるか!とコメディーでは叫ぶだろう。

だが、ここではそんな事は無い。

あるわけない。

なぜなら…彼女はーー


僕の家族を殺した"殺人鬼"なのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る