第22話


だけどメガネは全く怯む様子がない。



それどころか、にっこりと……



いや、にやりと、いっそ不敵とも言える笑顔を浮かべた。



色素の薄いビー玉のような目に一瞬光が宿った……ように見えた。





な!なんだこいつ……





「朔羅さん、いい香りするね。外じゃないのに、桜の香りだ。香水?」




あ?あぁ何だそのことか。




「ゲランのチェリーブロッサムって香水だよ。去年の誕生日に叔父貴からもらったんだ」





「チェリーブロッサム」



メガネは何か考えるように小首をかしげ口の中で復唱した。




「いい香りだね。朔羅さんにぴったりだ」



にこっとまた柔らかい笑顔に戻る。





ホントに……



何だよ。こいつは?



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