第10話


龍崎 戒りゅうざき かいです。よろしく」と転校生はこれまた爽やかに挨拶をした。





え……龍崎って?




「偶然?お前と一緒の苗字だぜ」



すぐ後ろの席で千里があたしをつついた。




「あ……あぁ」



あたしは曖昧に返すことしかできなかった。






偶然―――?




このときあたしにはただの偶然に思えなかった。




何か狡猾に裏で糸を引かれているような……




不穏で、不吉な予感を感じ取っていたんだ。






だけど、それがやがて“あたしたち”の運命を大きく変えるとは





そのときのあたしには




分からなかった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る