第93話
そんな事を悶々と考えながら家の方に向かって歩いていると、コンビニのそばに証明写真の機械があるのが目に入った。
私はふいに思いつき、将暉を引っ張ってその前まで連れて行く。
「何どうしたの?」
「ちょっと履歴書書きたくて」
私は少し心配しながらお財布の中を見てみると、なんと一万円も入っていた。
高校時代毎月1日が私のお小遣い日だったから、お財布の中は潤っていた。
「バイトでもするの?」
将暉が不思議そうに尋ねる。
「ううん、その逆」
「その逆?」
「いいから、ちょっと待ってて」
私は中に入り、姿勢を正して座った。
ブラウスの襟を正し、リボンを真っすぐに整える。
こうしてちゃんと高校時代の自分の顔を眺めてみると、やっぱり23歳の現代より幾分幼いように思える。
撮影は3回で、間もなく1度目のフラッシュが光る。
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