第88話

「じゃあ今日だけなの?」


「ううん、他の日にも戻れると思う。ただいつかって日付までははっきりしてなくて」


「・・・ていう か、どうやってタイムスリップしてるの?」


「よくわからないんだけど、私が国道246号線を渡ろうとするとタイムスリップしちゃうんだよね」


「・・・へえ。よくわかんないや」


「私だってわかんないよ」



すると榛野は閃いたように言った。



「でもだったらさ、今日はもう2人で抜け出しちゃえば?せっかく戻ってきたなら2人きりになった方が良いじゃん」


「え、でも・・・」


「大丈夫、今日の分は立て替えておくから!今度ご飯奢ってね!」



そういってウインクを飛ばす榛野に、私は胸が熱くなった。

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