第20話

正直、礼奈が授業を幾らサボろうと心配はしないけど、結っちだと心配はするよ?

無理強いはしないけどね。



「紅矢さん、何か用があるんでしょう?」



…うん。冷静だね、宮元先輩。

私が一人で用事もなく生徒会室に来ることなんて無いもんね。

何しに来た?って、視線が痛いよ……。

きっと礼奈だったら笑顔で迎え入れて貰えるんだろうなぁ。

…妬けちゃうな♪


それにしたって、顔面偏差値エグいわ〜。

今年の生徒会役員はレベル高いっての間違いないね!!

いやぁ~、眼福ですわ!!



「礼奈ちゃんならここには居ないよ?」

「知ってますよ。礼奈の居場所伝えに来たんですもん♪」



間違っても礼奈が自分で生徒会室に行く未来が見えない。

私は生徒会役員と礼奈の逆ハーを見たいので、是非とも生徒会の方々には頑張ってもらいたい!

是非とも礼奈を口説き落としてみせてほしい!!

礼奈には怒られるけど、私が知った事では無い。

礼奈が礼奈であるように、私は私だ。

気の向くまま好き勝手お互いに振る舞うからこそ、問題児だと中学の先生には認識されていた。

私達はそれを否定も肯定もしなかった。



「…どういう事だ?」



優雅に一人、珈琲を飲んでいた会長が、くっきりと眉間に皺を寄せて私を見る。

……絵画かな?

誰か額縁持ってきて!!会長って、存在だけで絵になるよねぇ。

こんなイケメンに愛されて、羨ましいぞ礼奈!!



「え〜?屋上行ったきり帰って来ないので、多分雨晒しでぶっ倒れてます。私、保健室行くんで、回収して来て貰っていいですか?」



私じゃ礼奈運べないし。

どうせ、相手するのが面倒臭くてぼんやりしてたら、屋上に閉じ込められでもしたんだろうなぁ。

これに凝りて無茶しなくなってくれると、良いんだけどねぇ?


よろしくお願いしますと、頭を下げてさっさと生徒会室を出る。

これで生徒会役員のメンバーは動いてくれるだろう。



全く、手の掛かる親友だ。












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