花と嵐

長町紫苑

第1話

彼に出会ったのは、4年前の春のことだった。


「俺、2年の新妻優斗にいづまゆうと。これから、よろしくね」


初めて会った瞬間からその笑顔に憧れ、彼のことを好きになるのに時間はいらなかった。


「結局2年間ずっと委員会一緒だったね」

「そうですね。先輩が卒業したら、寂しくなります」

「しっかりしてよ、新委員長さん」


「……新妻先輩は、高校どこに行くんですか」

「俺? 四高だけど」

「そうなんですか。卒業しても、頑張ってくださいね」

「ありがとう」


そう言葉を交わしたのが、二年前のこと。


そして再会したのが、一年前のこと。


「また一緒だね。よろしく」

「よろしくお願いします、先輩」


わたしは高校まで追いかけるほど、彼に恋をしていた。

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