第3話
本当に大切だと思える人との未来を思い描くことが出来るようになった今、堂々と彼の隣を歩ける立派な大人の女性になりたいと思っているからこそ、彼が大人になるまで待つ期間を、自分でしっかりと生きていきたいのだ。
「警察官とか、憧れるかも」
独り言のつもりでぽつりと呟いたその言葉は、彼の耳にもしっかりと届いていて、
「……ミヤって、警察官とか消防士とか、そういう職業の人が好きなの?」
彼女の元カレの存在を思い出した彼がムッとする。
その質問の意味を瞬時に理解した彼女は、
「あっ、違う違う! 私が警察官になりたいかもって話」
慌てて首を横に振った。
昔から喧嘩が強くて、でもいじめっ子から守ってもらった記憶が今もまだしっかりとある彼は、
「確かにミヤは、強くて優しくて正義感が強くて……僕にとってはヒーローみたいな存在だったけど」
宝石のようにキラキラと強い
「今度は、僕がミヤを守りたいんだ。だから、なるべく危ないことはして欲しくないんだけど……」
「イブくんが守ってくれるんなら、安心して危ないこと出来るわね?」
ニヤリといたずらっ子のような笑みを浮かべる彼女を見て、
「もう! 心配で何も手に付かなくなったらミヤのせいだからね!」
彼は更に不満そうにムッと唇を尖らせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます