第79話

本当はは、右京が美紅のことを抱いたのは一度だけ。



初めての時に泣かせてしまったことと、あまり優しく出来なかったことをとても後悔していたから――



だからその日は、美紅が痛がらないよう最大限に気を遣いながら、最後までとても優しく大切に抱いたのだ。



三回という数字は、その間に美紅が達してしまった回数で、それを指摘されたのが酷く恥ずかしかっただけ。



恥ずかしがる美紅の反応と、すっかり信じきった天野と川上の反応を見て、右京が面白がっていただけなのだ。



「ありえるような、ありえないような、微妙な数字だから天野と川上あいつらも悩んでただろ?」



楽しそうな悪い顔をする右京に、



「もう!」



恥ずかしくて居たたまれない思いをした美紅は、ぷくっと頬を膨らませた。



そんな美紅の腰に、繋いでいた手を離した右京がそっと手を回してぐいっと強く抱き寄せる。



「今から俺の部屋に来いよ、美紅」



耳元でささやかれるその声に、美紅の体がびくっと強ばる。



「あの嘘を、本当にしよう」



「えっ……」



再び真っ赤に染まる美紅の頬を見て、右京はニヤリと妖艶に微笑みながら、



「川上に触れられて感じた罰だ」



逃げられないように、美紅の腰を抱く手に力を込める。



「そっ、そんなんじゃ……!」



「俺じゃないとダメだって思えるように、しっかりと叩き込んでやらなきゃな」

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