第73話
「うっ……右京くん、男の子なのに色気が凄い!」
恥ずかしすぎて彼の目をずっとは見ていられず、美紅は顔を背けたが、
「それは美紅の方だろ。俺の服を着てる時の美紅は、特にエロい」
右京の手が、美紅の太ももを優しく撫で上げるので、
「……っ!」
美紅は声を抑えつつも体を仰け反らせた。
「あの、右京くん……誰か帰ってきちゃったら……?」
「親はいつも遅いし、都古も今日は友達のところで雨宿りしてるって、さっき連絡来てた」
右京はそんな説明をしながらも、美紅を脱がせる手を全く休めない。
そしてどこから取り出したのか、美紅の頭の横に避妊具が箱ごと置かれる。
「え……」
「これがあるから、余計に美紅を呼べなかった。歯止めが利かなくなりそうで」
そう告げた右京は、次の瞬間にはニヤリと妖艶な笑みを浮かべる。
「でも、いっぱい求めてもいいって許可が出たし」
「……!」
「俺は、美紅だけを本気で愛してる。だから、俺を骨抜きにした責任はきちんと取ってくれよな」
「ん……あっ……」
右京による本気の愛情表現を、美紅はただただ受け止める以外に為す術はなく――
『雨の日にわざと傘を忘れる』という川上のアドバイスを実行しただけの美紅は、
(やっぱり、師匠は凄い人だ……!)
右京からの愛情を一身に浴びながら、そんなことを考えていたが、
「美紅? 物思いにふけるなんて、余裕だな?」
「あ、ごめんなさ……あぁ――っ!」
次の瞬間には、美紅の頭の中は真っ白にさせられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます