蕗江は、

｢他の皆は当然だけど、まさか私があんなに評価されるとは思いませんでした。貴方のお陰です｣

　綾子は、

｢いいえ、そんなつもりでは……｣

　鈴音が、

｢蕗江は飄々としているようでいて葛藤が有ったみたいですよ｣

　他の四人がファンを増やせばそれで良い。自分はやりたい事をやる。綾子はそんな立場をとる蕗江に魅力を感じていた。

　しかし、やはり蕗江も葛藤は有ったみたいだ。蕗江は、

｢けっこう緊張してます｣

　期待されればされるほど緊張するのは綾子にも何となく分かる。綾子は、

｢今まで通りで良いじゃありませんか。貴方は今まで期待を求めませんでした。貴方は強い人です｣

　蕗江は、

｢ありがとうございます｣

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