第26話

綾子は、

「これからも頑張ってください。私は貴方を一番応援しています」

 蕗江は一瞬驚いて目を丸くし、

「ありがとうございます」

 蕗江は麻矢に呼ばれると会釈して麻矢の所に行った。


 綾子もライブハウスを後にした。


 今回の演奏も満足したが、それ以上に綾子は蕗江と直接に話せた事に満足した。


 綾子は帰宅するとSNSを確めた。白い空のメンバー全員のアカウントをフォローしている。ファンと撮った画像を載せたり、ファンへの感謝を述べたりしている。販売したCDや写真集やチケットの売上の報告もある。


 いつも蕗江は会計報告をするが、今回は違った。


「ファンと会話が出来て良かったです。励みになります」


 綾子は初めてコメントした、

「こちらも嬉しかったです」


 変哲もない言葉だが、綾子にも蕗江にも大きな一歩だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る