第15話

最初の曲は北海道の夜空を表した鈴音の楽曲。冷たい空気に溢れんばかりの星に漆黒の空。空に吸い込まれて宇宙に飛び出す。宇宙開発のロマン。


 流麗なキーボードの音色、しっかりしたベースの重低音、激しくも情緒のあるギター、星の輝きと動きを彷彿させる正確なドラム、ロマン溢れるムックリとトランペット。


 五人の息は合っている。


 鈴音はドラムを叩きながら熱唱する。他の四人はそれに合わせて強弱や高低を絶妙に合わせる。


 一曲五分ほど。曲が終わるたびに五人はチューニングしたり楽器を確かめたりしている。客は拍手する。


 次は麻矢の楽曲。イスラエルとパレスチナの戦争を題材にしている。最初はイスラエルを非難しているが、後半はパレスチナの報復で傷付いたイスラエルの女性達と子ども達の悲しみを歌う。


 曲調も先程とうってかわって物悲しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る