第十一章

第13話

その夜、柊家の屋敷から楽しげに過ごす人々の声や音が聞こえてきた。


「桜華、クロード君、婚約おめでとう!」

桜華の父と母、侍女達が祝いの言葉を贈った。


「お父様、お母様、ありがとう。」

「ありがとうございます。」

桜華とクロードは、嬉しそうに感謝の気持ちを伝えた。


「クロード君がうちを手伝ってくれる様になってから、いつかこういう日が来ると思ったの。

息子が出来て嬉しいわ!」


桜華の母は、柔らかな笑顔を浮かべていた。


「お義母様、ありがとうございます。」


クロードもつられて笑顔になった。


そこに、嬉しい気持ちと寂しい気持ちが絡み合い、複雑な表情を浮かべていた人物が一人。


「桜華が婚約か…寂しいが、幸せにな。」


桜華の父は、涙目になりながら二人を祝福した。


「はい…!私達は、生涯互いを愛し、幸せになることを誓います!」

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