第八章

第10話

太陽の様な強い光の中から現れたのは、豪華な装飾が施された白い服を纏ったクロードだった。


「クロード…!!無事…だったのね…!?」

「何とかな…。」

桜華は、クロードの返事に安堵し、涙を流しながら、彼の元へ駆けていった。


クロードは両手を広げ、優しく彼女を抱き締めた。


「それにしても、その格好…どうしたの?」

桜華は、思い出した様にクロードに聞いた。


「桜華の力が暴走した時、心の中で願ったんだ…。「お前が悪に染まることはない、だから、大切な人達を傷付けないで欲しい」と…。」


「そう願ったら、この姿になって悪魔の力も消えたみたいだ。」

クロードは、すっきりとした表情で語った。


「…ありがとう…。クロード、私…貴方が居なかったらきっと、大切な物を全て失ってた…。」


クロードは、桜華の手を優しく握り、微笑んだ。


「お前を助けられて良かった。」


ーその後、二人の力で壊れた屋敷は、元に戻った。ー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る