第6話
俺もシャワーを浴び終え、瑠華の部屋の洗面所に置いてある髭剃りで髭を剃ると、髪を整えワイシャツに腕を通した。
広いリビングに向かうと、瑠華はスーツケースを広げて中身をチェックしているところだった。
10月7日、金曜日。
今日から彼女は一週間の休暇に入る。
単なる休暇なら俺も仕事の終わりに会いに行けるのだが、彼女はその休暇の殆どをアメリカ、ニューヨークで過ごすことになっていた。
同じ会社、同じ部署、席も隣。
毎日顔を突き合わせているから、居ないのが考えられない。
できれば一緒に着いて行きたい。そんなこと叶わないと分かりきってるから、尚更寂しい。
今日から一週間、瑠華に会えない……そう思うと寂しくて、寂しくて俺は孤独死(←使い方違うし)しそう…
ニューヨーク大学を飛び級、おまけに首席で卒業。
ニューヨークで僅か18歳で会社を起業し、一時経済誌で取り上げられるような大企業まで発展した。
その彼女を俺の親父は、親友の娘だからという理由で我が社へヘッドハンティング。
もちろんやり手だってことが大前提だけどね。
そんなわけで今年の4月から俺たちは同じ職場で、パートナーとして働くことになったわけだ。
噂通り…いや、噂以上に彼女の仕事ぶりは華麗で、かなりのやり手。
24だというのに、すでに管理職だし。
顔は可愛いのに、中身は男の俺より男前。
毎日キュン♪と心臓を締め付けられてる俺。
瑠華と出逢うまではかなり女と派手に遊んでいた俺だが、「お前、大丈夫か?」って自分で自分を疑いたくなるほど、今は彼女に溺れている。
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