第41話
呉暮村には学校がなかった。学校に行くには隣町の喜原町に通わなければならない。小金井家には子ども達に学校へ行かせるほどの学費も時間もなかった。
そんな貧しい村の子ども達の為に村長を代々勤める中野家が塾を創設して、読み書き計算を教えている。しかし小金井家からは次男のヒスケが去年から通うばかりで、他の兄弟姉妹は塾にすら通えていない。
中野家の塾・呉暮校は何故か少年限定で少女には通わせていない。
カヅコは全く読み書き計算が出来なかった。それは仕方ないと諦めていた。
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