第37話
居間の奥には老人が俯いて座っていた。シズマが入り、クルミがチヒロを通し、子ども達も後に続く。最後にヒロミが入る。
家族全員が詰めると居間は狭くなった。
老人・シズヤがおもむろに頭を上げる。ゆっくり家族を見渡す。出入口にはヒロミが座っている。
シズヤは驚いて一回目を丸くしたが、すぐに無表情になって、
「ヒロミ、随分とご無沙汰じゃないか」
ヒロミが絞るような声で、
「ごめんなさい、父さん」
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