第24話

「店を続けてほしいけれど、弟さんの話を蹴って良いの?」

 従業員達から話を聴いた常連客のキサエがヒロミにいた。ヒロミは、

「私はここの皆さんに感謝しているし、故郷に押し掛けるつもりはありません」

 キサエはやや腑に落ちない様子で、

「じっくり考えた方が良いよ。家族は簡単に壊れるのに、なかなか望めないのだから」


 キサエは44歳で、女給屋カフェーの経営者。女給屋は男性客を相手に珈琲コーヒーを飲みながら疑似恋愛をする所だ。


 女給達は綺麗な格好で上品なたたずまいで巧みな話術で客を楽しませる。卑屈になっている男や自慢話をしたがってる男や愚痴をぶちまけたい男、面倒臭い男達を相手にする。

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