第1話

第2話

ー学校でも影が薄い僕、何もかもが平凡で平均的だ。


何気ない日常は好き。だけど、僕は何か物足りなさを感じていたー


かけるは、下校途中に、雄大な景色が広がる川の近くでふと足を止めた。


瞼を閉じ、ゆっくりと感じていると、遠く上の方から少女の叫び声が聞こえてきた。


「……!!」

かけるは、幻でも見たかの様な表情で一瞬、フリーズした。


空から桃色の髪をした少女が落ちてきた。


「いた…くない?」

少女は、サファイア色の綺麗な瞳をキョロっとさせて、目線を下へ下げると翔が下敷きになっていた。


「わぁぁぁッ!!ごめんなさい!大丈夫!?怪我してない!?」

少女は、あたふたしていた。


「僕は大丈夫だけど…君は一体、何で空から…?」

翔は、ゆっくり身体を起こしながら、少女に質問した。


「私?私はね…ロボットなの!」

少女は、満面の笑みでかけるに伝えた。


「はぁー!?」

かけるは、思わず素っ頓狂な声をあげた。


ー正直、何処がロボット!?と思った。

普通に見た感じ、人間の女の子と何も変わらない。

近未来感のあるシルバーの衣服コスチュームで、ちょっと、萌え系アニメに出てきそうな風貌だとは思うが……。嫌いじゃないんだよなぁ…。


艶のある桃色の髪、サファイアの様な輝きを持つパッチリした丸い瞳、熟れた果実の様な唇…。ー


翔は、ハッと我に返った。

「いけない、いけない…!何考えてるんだ、僕は…。」


すると、少女は、かけるに近付いた。


「アイカは、ロボットだよ♡私、桃野 アイカ!宜しくね!あなたの名前は?」


満面の笑みで話しかけてくるアイカに、まだ思考が追い付かない。


「…真城 ましろ かける…。宜しく。」


こうして、2人が奇妙な出会いを果たした。

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