第78話

「あんた、もしかしてなんかやってるの?

悪いけど、そういうのにはついてけないけど」




普通ダーツを友達の方に投げるだろうか。

変な薬でもやられていたらたまったもんじゃないと、冷静に言葉にすると、




「ああ?んな訳ねえだろ。

バカかおめえ」




何故か私が呆れられるように、そんな事を言われるけどどう考えてもあんなの方が馬鹿でしょ。




「今のは完全にはハイリがオカシイだろ」



「おめえなんで今投げたんだよ!」



「ハイリおまえバカだろ」



声を上げる皆を見て面白そうにするハイリ。




「いや、22時に帰らせるって言ったろ?

それに反対するならさ、考え物だろ?」




なあっとクツクツ笑う山路灰利に少し鳥肌がたった。


自分が絶対だと思ってて、自分が正しいと思う事に迷いがない。





嫌だなぁ。

彼が何故有名で、そして、このメンバーで頼られているかわかってしまった。




この雰囲気に、この強さ。人の上に立つ人間なんだ。

持って生まれた才能か……。

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