第48話

時間がたっても、なかなか来ない。



「遅せえな…」



譲二がイライラした表情で言う。

ああ、確かに遅い。


エレベーターを使って少し歩くだけだ。


何故こんなに遅い。




そう思った時また部屋にコール音が響く。




『山路様、お連れの方からの伝言になります。少し用事で遅れるとの事です』



用事だと?

ここまで来てなんの用事が起きたというんだ。



焦らすつもりか。




シュッと放つのはいつもど真ん中。




「20のトリプルリング。

どうすればそんなにうまくなれんのかね」



康人が俺から矢を一本とり放ちながら言う。



そう言いながら康人の矢はダブルブル。




「電話なんだって?」



「遅れるとさ、どこまでも面白そうな女だ」



「ハイリ、お前は見てないからだ。

あの女の目は、怖いぞ」




康人が言うほどか、いや、康人。悪いなお前がいうほどなんでもっと面白そうだと思ってしまうよ。

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