一之瀬譲二side

第18話

俺たちはこの辺の「キング」と呼ばれ誰も逆らわない地位にいると思ってた。



それがことごとく、ただの女子高生に壊されるなんて思ってもみなかった。



たまたまユウノがナンパした綺麗な女。


普段と違う事と言えば、ユウノが男連れの女にわざわざ声をかけたという事くらい。




でも、それでもこんな事になるなんて思ってもみなかった。





最初はめんどくせえっと思いながらもユウノとそいつらのやり取りをただ傍観していた。




男2人が頑張りながら、守ろうしていた。

そんな中一人の女は震えているのにもう一人は無表情で微動だにしなかった。



だけどまあ、そんなに深く考えずに怖すぎて身動きが取れないだけだろうそんなふうに考えていたが、それは違った。



ユウノが女の手を取ろうとした瞬間、男がそれを守ろうとしてコップにぶつかって、ユウノに水がかかったのにあいつがそれを笑って許しているのを見て、呆れながらも俺らを馬鹿にされる訳にはいかないからと、俺はその男に水をかけながらユウノに声をかける。



その瞬間、さっきまで無表情だった女の表情が強張りそしてユウノがポテトをかけたのがピリオドだった。





目線を上げ、俺らを敵だと言わんばかりに睨みつけた。




そして、何故かそいつは急に喋りはじめ他の3人を逃がしたかと思えば俺らへ強く話しかける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る