第10話
その声には反応せずに、私は桜たちを見た。
「私もすぐ行くから。
それに私が言った事に間違いは一度もないでしょ?大丈夫行って」
「何言ってんだ!置いてける訳ねえだろ」
「そうだよ美咲が残るなら私も」
「そうだ美咲何言ってんだよ」
「ダメ、そうだ。こないだのゲームで私のいう事みんな一度きく約束だったよね、じゃあそれ今使うからね?」
「そんなのダメに決まって「約束は破らない、でしょ?」
晃が大きな声を出すので途中で遮ると、クッと黙り込んだ。
そう、私たちというか、この3人は昔「約束」で何かおきたらしく私が出会った時から何故か「約束」は破らないというのに何か特別な意思を感じていた。
だからこそ、卑怯ながらにもその言葉を出して黙らせた。
「ね、出てて?」
そういうと泣きそうな顔をして、顔を歪めながら出ようとする3人。
「絶対無理するなよ……」
「美咲が無事じゃなきゃ泣くから」
「自分を犠牲にしたらぶっ飛ばすからな」
そう言葉をあげながら、3人はその場を立ち上がる。
「いや何勝手に話進めてんだ「あんた達に話していないわ。少しくらい待てないの?」
私がキングの話を遮ると店にいた全員がゴクリと生唾を飲むような音が聞こえるほどに静まり返る。
それはそうだろう。この地域の人は彼等にそんな口を利く事さえ許されないから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます