第7話

それでも晃と直哉はお願いしますと言い続け、桜は震えていた。



そんな私達を周りは見て見ぬふりをするだけ。



そう、これがこの辺の"当たり前だった"



キングが全てで、キングに逆らう奴なんていない。



誰も何も言えない、それが当たり前なんだ。






「名前なんていうの。」



青い目の男は、私のそう名前を問う。





「おいユウノ、ジョーどうした?」



「お前ら何してんの」




後ろから残りのキングたちも来て、私たちの周りには4人の男が集まった。




「なんかユウノがこの女を気に入ったらしくてよ。


男連れだったんだよ。でも男が頑張るんだわ」



「へえ、いまどき珍しいね。皆、俺らの顔みただけで逃げるだけなのにね」



「まあ、俺はどうでもいいけど」



「皆からもなんか言ってーや。

名前も教えてくれへんし。どうしようか」





そう、青い目の男は笑うと、さっき晃に水をかけた男が声が苛ついたように声を荒げる。




「ユウノ、めんどくせえ事してんなよ。

俺らはこの程度の相手言う事きかせられねえようじゃ、どうにもならねえんだぞ」




すると、ユウノと呼ばれた男は頷いてから表情を変えてこちらを見つめる。

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