第63話
「それでその後静かに二人喋った後、凜太郎さんがね笑ったのよ」
「凜太郎が?」
「そう、豪快に笑ったわよ。
『気に入った』ってミサキちゃんの頭を撫でてね」
「何があったんだよ!その間に」
「私もそれが聞こえなくて、その後ミサキちゃんに聞いたのよ。そしたらね『他の人を違うと思ったの、あの人は。だから他の人と同じように接してもこの人は私を指名してくれないって思った。だから本音できちんと向き合っただけですよ』なんていうのよ」
それも凄い話だ。
確かに、ミサは指名をとるのが仕事だ、だとしてもそれを既に考えて動いているミサに少し怖さを感じた。
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