「どうして、なんて聞くのはいけない事かい？」

困ったように笑みを見せながらも、その瞳は悲しみにつつまれているようだった。

だけど、私はそれへの答えと言えるかわからないが。それでも覚悟を決めて言葉を放つ。

「助けたい者ができたの。

あの時は実はただ借金の為にあそこにいたの。だからそれが終わってもう一生あそこに戻る事はないと思ってた…

でも色々理由ができて、もう一度だけ戻る事にしたの」

そういうと雅人さんはそれを真剣に聞き入るだけで、何も言わなかった。

ただ、私の目を見て話を聞くだけだった。

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