第66話

残された俺らも美咲に声をかけた。



「美咲とっても美味しそうだね。

こんなのサッと作れちゃうなんて、本当美咲って料理上手だったんだね」



そうユウノがにこっと笑うと、美咲はクスクス笑った。



「有野、それはちゃんと食べてから言ってよ。もしかしたら見た目倒して美味しくないかもよ~?」



「ふふ、美咲が作ってくれたものだもん。

きっと僕はそれがなんだろうと、美味しく感じるよ」




おい、ユウノお前それ、さっき似たような事阿佐谷さんが言ってただろうが…。



そう心の中で突っ込んだ時に気づいた。



ああ、そうか、お前も傷つかない訳ないもんな。


負けたくないって気持ちがない訳ないもんな。


だから敢てそう言ったんだとわかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る