第44話

多分、いや絶対、電話の相手は阿佐谷さんだ。


美咲の声が、美咲の表情が、なんかいつもより優しい気がするのは気のせい?

俺が気にしてるからそう見えるだけ?


少しだけ、嫌な気持ちになるのは、これはヤキモチ?




ムッとしてしても、しょうがないってわかっててもなんだか無性にやるせないんだ。




でも、美咲はそんな俺ら見ても怒ったりしない、ただ優しく微笑むだけなんだ。




そうやって微笑まれると、俺らは単純だからそれだけで嬉しくなってしまうんだ。

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