第10話
「だってミサキこっちにばっかり来て、俺ん所には来てくれないんだもん」
だから来ちゃった、っと舌を出して雅人さんは悪戯気に笑った。
「俺もドア開けて吃驚したよ。
まさか須藤さんがいると思わなかったから、それで何か用ですか?って聞いたら美咲に会いに来たんだっとか言われちゃってさ」
そう少し苦笑いしながらも、灰利は説明してくれた。
「ミサキ、これ美味しいって有名な地酒が手に入ったんだ。凜太郎さんに渡しといてもらえる?」
あっそうだ、なんて呑気に雅人さんはそう言いながら部屋に入ってきて、私にそれは高そうな芋の焼酎黒瓶を渡してきた。
「あ、何?今からDVD見るの?
これ面白いよね、ミサキこれにしようよ」
そういって譲二が出してくれていたDVDボックスみてから、勝手に物色し始めたと思ったら1本を取り出して、私に渡す。
え、ま、雅人さん?
何普通に居座ろうとしてんの?
え?てか何?凄いマイペース。
ああ、そうだ。
そうだ、忘れてた。
雅人さんは、お坊ちゃま気質だったね。
私や凜にいに対してだけが、かなり違うだけで基本はこんなだった。
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