迷走する女

■Jr(ジュニア)

第30話

**迷走する女**



■Jr(ジュニア)




――――


――



柏木さんに…



告白する。しない。する。しない……



プチ、プチ…っと赤いガーベラの花びらを一枚一枚むしって。



最後に残った一枚は……




「しない…かぁ」



ガーベラの茎を手にして、一枚残った花びらがくっついた残骸を俺をくるくる指で回した。



ガーベラは受付のフロントに飾ってあったものを一本失敬した。



3日ほどのサイクルで受付の花瓶に飾ってある花が変わる。



今日は赤と黄色のガーベラにかすみ草が生けてあった。






ってか…花占いする俺って……相当イタイかも…




すぐ隣で佐々木が思い切り不審そうな目つきで俺を見ている。



そんな目で見るなよ!



分かってンよ。俺だって!!




でもそこまでする程煮詰まってるんだ!






「ルール違反です」






柏木さんの鋭い声が聞こえてきて、俺はびくりとした。




す、すみません!!



俺が悪かったです!!!厚かましくも気持ちを伝えようとしちゃいました!!




ごめんなさい!!





謝るつもりで手を合わせて、目を閉じていると、



「何やってらっしゃるんですか?」



と柏木さんの若干険を帯びた声が聞こえてきて、俺は目をぱちくりさせた。



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