第12話
「俺の部屋だ…」
伊澤さんはそう言って、私にグッと腕の中に抱き締めて、唇を奪って来た。
互いに飲んだカクテルの匂いと味が混ざり合ったキス。
濃密なキスと酔いでカラダの力が抜けていく。
このまま…全てを忘れたいキモチに心とカラダが支配されていった。
「忘れたいんだろ?」
伊澤さんの声が私の鼓膜に響く。
私は彼の言葉に抗えない。
彼は私のキモチを代弁しているのだから・・・
彼の誘惑に流され、そのまま体を預ける。
ぼんやりとした視界の中。
私のカラダは彼の愛撫に絆され、熱が帯びていた。
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