第18話

スープを飲んで、ナオくんに勧められて先にお風呂も入らせてもらって。



入れ違いでナオくんがバスルームに向かう時、



「先に寝てていいよ」



と言われたけれど。



それって、どっちの意味なんだろう?



言葉の意味通り本当に寝ていていいのか、それとも――



ベッドで待っててという意味なのか。



でもわざわざ泊まっていくように約束を取り付けてきたくらいだし、そういうこと……だよね?



本当は、今日は凄く疲れたからすぐにでも寝てしまいたかったけれど。



ナオくんにここまで尽くしてもらっておいて、ナオくんの要望を叶えないわけにはいかない。



でも……とてつもなく眠たい。



意志とは反対に、勝手に瞼が落ちてくる。



ナオくんがお風呂から上がってくるまでの間だけ、寝させてもらおう。



そう思ってベッドに入って目を閉じて――



――ガチャッ……



いつの間にか随分と時間が経っていたみたいで、ナオくんが寝室に入ってくる音で目が覚めた。



「あっ、ナオくん」



「電気点けたまま寝てたの?」



仕方なさそうに微笑わらったナオくんは、ベッドの私の隣に潜り込むと、リモコンで室内灯を消した。



いつもなら、行為の最中は全部は消さずに薄暗くするだけなのに。



あれ? と思っていると、



「おやすみ、ゆづ」



ナオくんに腕枕をされて、そのままぎゅっと優しく抱き締められた。

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