イチゴショート
第3話
あれから成長した舞は、普通科の高校を卒業後、製菓の専門学校に2年間通いつめた。
学校で技術と知識を身に付ける毎日を送りながらも、将来自分が働きたい店を探すことにも、手を抜かなかった。
専門学校在学中に多くの洋菓子店を訪れては研究し、これだ! と思う店にやっと巡り会えた。
『パティスリー・トモ』という個人店。
大手というわけではないが、味にうるさい舞が心の底から美味しいと思った唯一のお店。
テレビや雑誌などでも頻繁に紹介される程の名店なのだが、この店のシェフパティシエがどうやら若くてイケメンだとかで、そっち方面の意味でもよく話題に取り上げられていた。
味重視の舞にとっては、自分の雇い主の顔がイケメンだろうがそうでなかろうがどっちでも興味はないのだが。
とにかく、この『パティスリー・トモ』の味に惚れ込んだ舞は、何としてでもここで働きたいと強く決意。
面接だけでなく難しい実技試験もあったのだが、学校でも家でもひたすらに練習に練習を重ねていた舞は、無事に『パティスリー・トモ』の内定をもらうことが出来た。
そして、舞がパティシエを志すことを決めたあの日から14年後の4月1日。
この日が、待ちに待った入社日当日なのである。
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