プロローグ〜ふたたびのいろ。〜
第1話
とあるマンションの、とある一室のリビングに、アフタヌーンティーを楽しむ1組のカップルがいた。
男の方――
女の方――
大きなソファーで横に並んで座っている2人の前には、大きなティーポットが1つと綺麗な模様のティーカップが2つ。
お茶菓子は1人分のみで、沙那のすぐ目の前に置かれている。
沙那はシフォンケーキにフォークを刺しながら、
「えっ? 結局、『そらいろ。』書かないの?」
驚いて純の蒼い瞳を覗き込んだ。
「俺の自叙伝を出すこと自体は、
純は一旦言葉を区切り、苦々しそうに顔を歪めた。
「タイトルで揉めてな」
「あぁ……」
沙那は納得した。
モデル・桐生 純のファンとしての意見を言わせてもらえるのなら、純の自叙伝に『そらいろ。』というタイトルは――純のイメージが崩れるので好ましくない。
そんな詩人やポエマーみたいな響きは、純には似合わない気がする。
三上が反対しても仕方がないと思った。
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