第25話

「そうなのか?」


「はい」


「そうか…妹よりも国防か・・・」


信号待ち、拓真さんは片手をハンドルから離し、前髪を掻き上げる。



「!?」


チラリと見えた拓真さんの額の傷痕。



あれはお兄様に石をぶつけられて時の傷痕だ・・・



「額の傷…痕が残っているんですね・・・」


「まぁな」


「本当にあの時はゴメンなさい」


「過ぎたコトだ。別にいいよ」



あれから、家族同士のお付き合いは疎遠になってしまった。


でも、拓真さんの妹・彩名とは同じ学校で同級生。

彩名との仲は続いた。

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