第23話
パウダールームを出ると壁に凭れて煙草を咥える拓真さんの姿が視界に入った。
「あれ…えーと話は?」
「ん、あ…終わった。帰るぞ」
「あ…申し訳ありません・・・」
「目赤いけど…大丈夫か?」
「え・・・あ・・・」
拓真さんは泣き腫らした赤い目を心配そうに見つめる。
その距離の近いコト・・・
「大丈夫ですから・・・」
「そうか・・・」
短くなった煙草を携帯用の灰皿に捨てて、上着のポケットに仕舞い込んだ。
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