第13話

すると、俺意外に誰もいないはずなのに

すぐ近くで物音がした。

ベッドのカーテンの向こう側。

黒い影がかすかに動いている。

誰かがゆっくりと移動している物音。


誰かいる…?

先生か?出張から戻ってきたとか?

代行の先生か?もしくは……

まぁ絶対ないと思うけど

心配してくれた矢島っちだったり…?

それはないか。


少し閉まっているカーテンに、

窓から漏れる日差しで影ができる。

それはこちらに近づいてくる人影。

その影がカーテンに手をかける。


「んっ… 先生…ですか…?」


自分が思ったより弱々しい、

か細い声が出てしまった。

起きたばかりで本調子じゃない声。

かすんだ視界に移る歪んだ人物。


…きっと、先生だ。

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