第4話
あれから2年が経った。
高校は近くの男子校に入った。
もちろん、女子という生き物は誰1人いない。
それは、まさに地獄。
「あぁ~
彼女できずに、高校生という名の青春が
終わっちまうのかなぁ…」
昼間には春の風が吹き始めた2月の上旬。
屋上で空をぼうっと眺めながら寝転ぶ、雀が呟いた。
フェンスに寄りかかりながら俺もつられて空を見上げる。
空一面真っ青。
というのはまさにこのこと。
白いキャンパスにただ、
青い絵の具を塗り潰しただけの様だ。
雲一つないただの、青。
「しょーがねぇだろ。ここ女子いねーしさ。
いたとしてもブッサイクな野郎だけだって。」
その答えに、すかさず視線を俺に移した。
それに気づいて奴を見る。
「だよな~!むさ苦しい男子ばっかりだべ~」
雀がニシシと笑う。
だろ?となぜか得意げになった。
いや俺も彼女いないんだけど。さ。
俺らはあと少しで高3になる。
最後の1年の間ぐらいはそれらしい青春をしたい。
ふんわりと少し暖かな風が
俺の髪を撫でて通り過ぎて行った。
吸い込まれそうなほどの真っ青の空を仰ぐ。
なんてちっぽけな俺。
もうすぐ暖かい季節がやって来る。
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