プロローグ〜はじまりのいろ。〜
第1話
ある晴れた日の昼下がり。
ある公園の砂場では、5歳くらいの女の子が1人で遊んでいた。
滑り台やブランコでは、同じ年頃の子供達が沢山集まっているのに、
砂場で遊ぶ彼女は、1人きり。
彼女が一人ぼっちなのには、2つの理由があった。
1つ目は、彼女は数日前に、この土地に引っ越してきたばかりだということ。
そしてもう1つは――……
彼女は手首に、白い杖から伸びるストラップを巻き付けていたこと。
そう。
彼女は、生まれつき視力に障害を抱えた、盲人なのだ。
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